新入社員研修は、新しく入社したメンバーがスムーズに職場に適応し、早期に戦力化するための重要なステップです。
自社に合ったカリキュラムとすることで、より効果的な研修をすることができます。
本記事では、新入社員研修のカリキュラムの組み立て方を詳しく紹介していきます。
新入社員研修の目的は、新入社員が企業理念やビジョンの理解をして意欲的に業務に取り組めるようにマインドセットを醸成すること、
ビジネスパーソンとして必要なスキルの習得、そして職種に応じたスキルの習得です。
研修カリキュラムを設計する際、これらの目的をしっかり反映させることが重要です。それでは、具体的なカリキュラムの設計方法をみてみましょう。
新入社員研修の構成は
①ビジネスパーソンとしてのスキル
②職種別のスキル
の2つに分けられます。
それぞれ目指すゴールや研修のポイントが異なることを認識したうえでカリキュラムを設計しましょう。
社会人基礎の研修は、新入社員がスムーズに職場に適応し、効率的に業務に取り組めるようになることが目的です。一般的な内容に加え、自社の企業理念や行動指針の学習を組み込むなど、自社に合った研修にすることが重要です。
職種別の研修については、現場で使えるスキルの習得がゴールになります。
職種によって必要なスキルが異なるため、現場社員の協力も仰ぎながら、適切なカリキュラムと研修内容を設定することが重要です。
具体的な研修内容について見ていきましょう。
新入社員研修を企画されている方にとって、「具体的にどのような内容にするか」が一番悩むポイントではないでしょうか。研修ではどうしても多くの情報をインプットしてもらおうと内容を詰め込んでしまいがちですが、ポイントは、方向性を明確にして優先度が高い内容に絞ることです。
ビジネスパーソンとして必要な一般的なスキルは次のような内容です。
ビジネスマナーや論理的思考などの基本的な内容加え、近年ではメンタルヘルスやキャリアプランニングなどの研修を行う企業も増えています。
企業ごとの方針と新入社員の傾向に対応した内容を選択すると良いでしょう。
近年の新入社員の傾向として、早期転職が身近にあることも念頭におき、早期退職対策として「キャリアプランニング」は研修に入れておきたい項目です。
今回は営業職とエンジニア職を例に、具体的なカリキュラムをご紹介します。
商談の成立率を高める営業スキルの習得を目的として設定した場合
具体的な研修内容は次の5つが考えられます。
プログラミング技術やプロジェクトマネジメント能力の向上を目的とした場合、具体的な研修内容は次の5つが考えられます。
これらの内容を研修に落とし込む際の課題としては、専門的な内容が含まれるため、研修担当者のみでは対応しきることができないことがあげられます。その場合は、現場社員の協力を仰いで内容を作成する必要があります。
また、研修サービスの活用もおすすめです。インプットだけでなく実践的な学習もできるサービスを選定することで、研修後早期に現場に適応することができるでしょう。
次は、カリキュラムを組み立てる際の5つのステップをご紹介します。
現状の組織の課題や新入社員が直面する可能性のある問題を洗い出します。
課題を解決するためにはどのような研修が必要か、という観点で内容を検討していきます。前年のフィードバックやアンケート調査をもとにしてもよいでしょう。
研修終了後に新入社員が達成すべき目標、ゴールを設定します。
など、具体的な目標を設定しておくことでカリキュラムを組み立てる軸ができます。
設定したゴールを達成するために必要な研修項目を洗い出しましょう。
冒頭でご紹介した2つの構成を意識して考えるのがおすすめです。
について既存社員や前年の新入社員にヒアリングを行い、その情報を参考にしてもよいでしょう。
近年の新入社員の傾向もリサーチした上で、特徴を理解して必要なスキルもリストアップしましょう。
内容が決まったら、具体的な研修方法とスケジュールを決めましょう。
これまでのステップで内容が明確化されているからこそ、手法の選択がスムーズです。
手法はOFF-JT(Off-the-Job Training)もしくはOJT(On-the-Job Training)から選択します。
OFF-JTは講義やワークショップ、自主学習など、通常の業務とは別に時間や場所を用意して行う研修です。
スキルのインプットに集中して行える環境なので、研修前半に設定するのが良いでしょう。
OJTは実際の業務に従事しながら、上司や先輩社員の指導を受ける研修です。個々の進捗に合わせた教育が可能で、職場の雰囲気や文化に早く適応でき、日常業務と並行して行えるため、業務の進行に支障が出にくいのが特長です。
研修後半に設定することで、事前に得た知識・スキルをアウトプットする場となり、習得が加速するでしょう。
OFF-JTとOJTを組み合わせて行うことで、知識やスキルの習得と実践のバランスを取ることができます。
OFF-JTの座学やワークショップ・ロールプレイで基礎知識のインプットと活用イメージの獲得をし、OJTで学んだ内容の実践を積み実際の業務に適用するといった流れがスムーズでしょう。
研修は、各研修の担当者と現場社員のスケジュール確保・調整が必要不可欠なため、早めに内容やスケジュールのすり合わせを行いましょう。
事前に目標を共有しておくことも重要です。
企業全体で新入社員の育成に取り組みつつ、現場社員の負担になりすぎないよう、配慮を忘れず密なコミュニケーションをこころがけましょう。
最後に、より効果的な研修にするためのポイントをご紹介します。
研修担当者と現場で必要なスキルやレベルの認識が異なるという課題は、多くの企業で見られるケースです。
事前にヒアリングを行い、現場の意見や考えを把握しておくことで、新入社員の現場への移行もスムーズに行うことができ、協力も得やすくなるでしょう。
新入社員研修の目標や全体像は、研修のはじめに新入社員に共有しましょう。
目的を理解して納得した状態で取り組めるので、理解度や習得率も向上します。
新入社員にとって研修の内容は初めて触れるものが多いため、一度に多くの情報を渡しすぎることが内容に設計しましょう。
研修の中で情報量の分散を行い一日の学びを絞ることで、知識の定着が見込めます。
研修が終了したら、設定した目標に対して実際の結果がどうだったか振り返りを行いましょう。
新入社員や現場社員からのフィードバックを収集することも効果的です。
振り返りの結果、良かった点は次回に活かしつつ、課題は解決できるよう改善策を事前にまとめておくことで、翌年の研修をよりよいものにすることができます。
新入社員研修のカリキュラムの組み立て方をご紹介してきました。新入社員の成長を加速させ、組織全体のパフォーマンス向上につながる研修を目指しましょう。
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