・新入社員の営業研修に必要な基礎を知りたい方
・次世代の優れた営業人材を育成できる営業研修の作り方を知りたい方
・研修をブラッシュアップしたいが社内リソースが足りず悩んでいる方
次世代の優れた営業人材を育成するためには、しっかりとした営業研修が必要です。本記事では、新入社員向けの営業研修に焦点を当て、そのポイントを詳しくご紹介します。
近年、デジタル化が進み、顧客が商品・サービス検討に必要な情報を自由に得られるようになったことで、営業スタイルにも変化が生じています。今後は課題を解決するのみの「ソリューション営業」から、顧客が気づいていない潜在的な課題を察知して、その解決方法を提案する営業スタイル「インサイト営業」が求められます。インサイト営業を担える人材の基盤となる重要な基礎を押さえておきましょう。
新入社員が営業人材として身につけるべき基礎内容を、一般的な営業フローに沿ってご紹介します。信頼できる営業人材になるためには、ロールプレイングや対面での研修が重要視されることも多いですが、事前ステップでの自社/商材理解や営業フローの基礎的な内容も重要です。早速事前ステップをみていきましょう。
新入社員が最初に理解すべき重要事項は、自社のポジションや差別化ポイント、そして取り扱う商品やサービスの特徴です。自社の商品をプレゼンテーションするだけの浅い知識レベルではなく、業界や競合、顧客との相互関係まで視野に入れた理解が重要と言えます。顧客とのコミュニケーションを円滑に進めていくために何よりも信頼材料となり、ひいてはインサイト営業を視野に入れた営業人材の土台となります。
営業活動の第一歩となるのが、リスト作成です。見込み客のリスト作成は成約率を上げていくために必要な重要作業です。 見込み客のリストの作成には、ターゲットセグメントの選定や情報収集の手法が問われます。展示会、ウェブサイト、SNS、紹介など、さまざまなチャネルから獲得した顧客情報から、見込み客になりうる ターゲットを正しく見極めるには、自社の過去実績や直近の現場の情報を新入社員に伝えることが必要となります。自社のリソースを活用しつつ、リスト作成を担えるよう育成しましょう。
リスト作成が終わったら、次はアポ取りです。電話やメールを通じて、顧客との初接触を行い、商談の約束を取り付けます。テレアポでは、相手の時間を大切にし、直接声で伝えられるメリットを活かして前向きな返答をもらえるよう務めます。メールでアポイントをとる際は、顧客にあったパーソナライズが重要です。顧客に興味を持ってもらうための「フック」となるメッセージの作り方がポイントとなります。ケーススタディで身に付けていきます。
アポが取れたら、まずは顧客へのヒアリングをします。仮説を立てた上で臨むことで明確な示唆を得られるため、情報収集は重要です。顧客が直面している課題やニーズを把握するためには、的確な質問を行い、相手の話に耳を傾けることが求められます。ヒアリングのスキルを向上させるためには、事前に質問リストを作成し、シミュレーションを行うことが効果的です。ここで得た情報が、後の提案に大きく影響します。研修の方法としてロールプレイで実際の営業場面に近い状況でヒアリング力を鍛えたり、アクティブリスニング演習で相手が何を伝えたいのかを深く理解できるようになって、的確な質問や応答力を磨きます。また、ケーススタディ分析を行い、仮説を立てるスキルを身につけます。実際のビジネスケースに基づいて仮説を立て、その検証とフィードバックを行い、仮説の正しさを見極める力を養います。
ヒアリングで得た情報を基に、顧客に最適な提案を行うための資料を作成します。提案資料においては、デザインも重要ですが、最も大切なのは顧客にとっての価値をいかに伝えるかです。そのためにはデータや情報が可視化され、構造化された資料を作成できるかがポイントとなります。視覚化された情報は直感的に理解しやすく、提案の意図や重要性がより強く伝わります。また、具体的な数値などが視覚的に示されることで、提案の信頼性が向上し、顧客側の社内での承認までの時間が短縮されることもあります。
資料作成に伴うツールの基本操作やストーリーの作り方などのスキル習得には、e-ラ-ニングを活用することで、効率的に学習し、身につけることができます。
提案の場では、ただ資料を読み上げるだけではなく、顧客の反応を見ながら柔軟に対応するスキルが求められます。提案内容が顧客の期待に合致しているか、またはさらに価値を提供できるかを確認しながら進めることが重要です。ここでは、新入社員が持つ知識と自信が試される場面となります。商談での顧客の反応を予め想定しておき、どう対処するかをロールプレイングや実際の商談への同行などを通じて、様々パターンを経験すると対応力が身に付き、効果的です。顧客の反応を伺うだけで終わらず、その後課題解決にむけた次回に繋がる提案スキルを磨いていきます。
最後に待ち受けるのがクロージングです。商談をまとめ、契約を締結するための重要なステップであり、営業人材の腕の見せ所でもあります。新入社員にとっては、この段階で顧客の不安を解消し、納得してもらうことが成功の鍵です。経験の浅い営業人材でもクロージングには、自信を持って提案を進める姿勢と、顧客の反応に対する機敏な対応が求められます。
新入社員の営業研修においては、上記の基礎の習得に重点を置き進めていきます。
具体的に研修を作る際の期間や方法をご紹介します。
研修期間は一般的に1〜3ヶ月が理想的とされますが、企業のニーズや新入社員のレベルによって柔軟に設定することが求められます。初期段階では、基礎的な知識の習得に重点を置き、その後、実践的なスキルを磨くためのトレーニングに移行します。スケジュールは、段階的にスキルを高める構成にすることが重要です。
研修の形式には、座学、オンライン研修、現場でのOJT(On-the-Job Training)、ロールプレイングなど、さまざまな方法があります。新入社員にとって効果的な研修を実施するためには、これらを組み合わせたハイブリッド形式が有効です。一般的に現場や実践が重要という認識が強くあるようですが、前提情報などの基礎を徹底的に身に付けることが、その後の活躍に繋がります。
重要な基礎内容は時間や場所を選ばずに反復的に学習できるeラーニングを導入することで、自立的な学習とスキル定着を促すことができます。現場のリソースを確保するのが大変な場合も、ケーススタディをeラーニングで学習させるなどで効率化できます。OJTでは、実際の商談に同行し、リアルな営業現場を体験することで、先輩の対応を見て学習し、不安要素を取り除いたり、スキルの定着に役立ちます。
上記の営業のフローにおける具体的な方法を例としてご紹介します。
0.自社・商材理解(座学・eラーニング)
1.リスト作成(実践型ワークショップ)
2.アポ取り(座学・eラーニング・ロールプレイング)
3.情報収集・ヒアリング(ロールプレイング、実践型ワークショップ)
4.提案資料作成(座学・eラーニング)
5.提案(ロールプレイング・OJT)
6.クロージング(座学・eラーニング・ロールプレイング)
eラーニングならWorkschoolがおすすめです。
Workschoolは、新入社員の営業研修の実施において非常に有効なプラットフォームです。Workschoolの詳しい内容についてはこちら。
新入社員の営業研修において、自社のリソースを最大限活用するとよいでしょう。営業職の現場の声や過去実績は貴重な顧客データであり、売上や成約率アップに繋がる情報が多数あります。このような情報を伝えるために、現場の協力を得られるよう手配しておきましょう。またメンター制度や上司のフィードバックは、新入社員が疑問や不安を解消し、自信を持って営業活動を行うために必要なフォローとなります。研修後も定期的に振り返りを行い、スキル習得の進捗状況を確認することで、研修効果の持続や新入社員のモチベーション維持に繋がります。
営業研修の成功とは、研修修了後に新入社員が基礎を身につけ、成果の出せる営業人材に成長できている状態です。そのために必要な5つのポイントをご紹介します。
営業活動の基盤となる部分です。新入社員が営業研修を通じて、ターゲットや競合など前提情報をしっかりと把握できるようにすることが、営業で成果を出すために重要な資質を醸成することに繋がります。自社の情報のみに注力せず、顧客目線で商材の特徴や競合との差別化ポイントを正確に理解することは後々のインサイト営業を担える営業人材として大いに役立つスキルと言えます。
営業研修では、新入社員の習得スキルに応じた実施方法を選択することが重要です。自社や商材の理解など基礎的な知識を学ぶ段階では座学やeラーニングが有効で、アポ取りや提案など実践スキルを磨くためにはOJTやロールプレイングが効果的です。スキルの段階に合わせて、研修の形式や内容を柔軟に調整することで、より効果的な研修が実施できます。
営業スタイルの変化に伴い、オンライン商談や、メールセールス、Webサイトの強化など、幅広い営業手法に合わせて、営業の教育を行うことで、時代や顧客の変化にも対応することができます。従来のソリューション営業からインサイト営業に変化してきた歴史をふまえ、顧客が気づいていない課題にまで触れることで、成果を出せる営業人材となります。
ロールプレイや実践ワークショップで情報収集力やヒアリング力を身につける必要があります。
営業研修において論理的思考と行動心理を取り入れることは非常に有効です。論理的思考は営業活動を戦略的かつ効率的に進めるために必要な思考力のため、重要です。論理的思考を活かしてヒアリングの際の仮説力を磨いたり、データに基づいた営業戦略を立てるために、データの収集、分析、解釈の技術を学びます。これにより、感覚ではなく事実に基づいた意思決定が可能になります。実際の営業シナリオを題材にしたケーススタディを通じて、論理的思考を学ぶカリキュラムを組み込むことをおすすめします。
また、行動心理の知識を身に付けることで、より効果的に顧客とコミュニケーションを取り、説得力のある提案を行うことができます。顧客の行動や意思決定プロセスを理解するために必要なカリキュラムです。購買は感情的な決定によるものであるため、感情に訴える提案の方法を学び、顧客がどのような心理的要因によって購買行動を起こすのかを理解することで、営業人材としてのスキル習得をします。
社内サポート体制の重要性について上記でご紹介していますが、研修後も継続してフォロー体制を整えることも重要です。人によってそれぞれ強みや苦手分野は異なり、成長スピードも違います。そのため、研修後も継続してサポート体制を用意することで、研修後もスキル向上が見込めます。営業人材はスケジュールを顧客に合わせて行動することが大半のため、スキマ時間や移動時間をeラーニング学習で有効的に活用できます。管理システムのLMSの導入を通じてスキル習得状況の把握もできるため、スキル可視化により人事評価にも活用できます。継続してスキル習得できる体制は活躍できる営業人材育成において多いに活躍するでしょう。
新入社員の営業研修は、次世代の営業人材としての基礎を築く重要なプロセスです。自社や商材に対する深い理解、実践的なスキルの習得、そして社内サポート体制の充実が、研修の成功に欠かせない要素です。効果的な研修プログラムを実施し、新たな営業スタイルに順応する次世代の優れた営業人材を育成していきましょう。